演色性って何?
きれいで自然な色づくり 演色性
「演色性」という言葉をご存知でしょうか。これは、色がもつ本来の色をどれだけ忠実に表現できるかという性質を指します。そして、これを指数として表したものが「演色指数」(「Ra○○」や「CRI」などとも呼ばれます)で、特殊な測定器で計測されます。ここでいう「本来の色」は、太陽光の下で見える色を指します。この太陽光の下での演色性が基準とされ、満点のRa100と表されます(RaはAverage of Rendering Index、「平均演色評価数」のこと)。ある光源の演色指数がこの数字に近ければ近いほど、その光源(電球など)の光の下でみた色が、太陽光の下で見た本来の色に近いということになります。
演色性と光源
色というものは、その物質が持つ特性に応じて、特定の可視光の周波数を吸収・反射することで人間の目に認識されています。しかし、人工的に作られた光は、その発光の方法によっては人間が何万年もの年月をかけて遺伝子レベルで慣れ親しんできた太陽の下の色の感覚を十分に表現できない場合があります。例えば、エジソンが発明した白熱電球の演色指数は満点のRa100です。これは、白熱電球と太陽が同じ原理で光るためです。
さて、この200年続いたエジソンの恩恵、白熱電球を世界レベルで世代交代しようとしているLED電球ですが、実はこの演色指数が、まだまだ改善の余地があるのです。特に、一般的に使われている青色LEDに蛍光体を塗ったタイプは、赤色の発色が苦手です。
赤色は、特に「特殊演色指数」というもので表される事が多いのですが、LED電球が市場に出回ってすぐの頃は、その数値が「マイナス(赤色を吸収してしまうため)」という製品もあったほど苦手でした。赤色は、光の3原色の一つでもあり、私達の生活の中では欠かせない大事な色です。イチゴやお肉、お魚(特にお刺身)といった生鮮食品がおいしそうに見えなくなったり、老人ホームにL E Dを入れたら病人のような顔色(血色が悪い)になってしまったりということがあり得るのです。
ですから、高級なすき焼き店などが、電気代削減のためにLED電球にしたけれど、きれいに見えない(演色性が低い)ため、元々使用していた白熱電球などに戻した、などという例もあるようです。
「色」が大事な要素としては、お化粧もそうですね。演色性が悪い電球の下でお化粧して外にいったらものすごく濃い(薄い)メイクになってしまったという事もあるようです。また、お店で試着した服の色味が、外に出てみたら少し変わって見えた、という経験があるもいらっしゃるのではないでしょうか。これも、店内照明の演色性が低いと起こる現象です。
高演色LED電球
この表は、演色指数の計算に使用される試験色です。前述の通り、LED電球はNo.9の赤色がきれいに見えにくいのですが、高演色LEDであればより鮮やかに忠実に、物の本来の色が表現でき、しかもLEDならではの省エネも可能なのです。
私たちが提供する高演色LED電球「彩」は、全15色の評価値平均が96以上で、業界トップクラスの高演色性を実現しています(下図)。ちなみに、色検査や美術館といった、色の見え方が重要視される場面では、Ra90以上が求められます。私たちの彩はRa96以上ですから、このような場面でももちろんお使い頂けます。
LEDは使い方によってはあなたの人生と一生を共にするかもしれない商品です。少しでも「質のよい光り」の下で暮らしたいものですね。